基本情報
名称 | 栗(クリ) |
科 | ブナ科 |
開花期 | 5~6月 |
原産 | 日本 |
分布 | 北海道~九州 |
高さ | 10~20m |
花の大きさ | - |
植物のタイプ | 落葉性高木 |
見かける場所 | 公園 |
特徴 | |
その他 | 日本のクリは縄文時代から栽培され、食べられていたことがわかっています。 |
栗(クリ)の花

6月頃になると栗の木にはこのような雄花が一斉に伸びて木全体が白っぽくなります。目立つのは雄花で雌花は枝にあるのですが、とても小さいため遠目にはわかりません。


撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年6月上旬 |
なんか見た感じはベトベトしてるように思えますが、触ってみるとベタつきは全くありません。まあ、考えてみると雄花なので花粉を飛ばすのが役目。ベタついているはずはありませんね。

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年6月中旬 |
雄花が咲いている期間は短くて、6月中旬には地面へ枯れ落ちていました。
栗(クリ)の葉


撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年6月上旬 |
葉はクヌギの葉ととても良く似ているので、単独ではなかなか見分けがつかない。ただ7月になれば実がなり出すためすぐに判別できるようになります。
クリの実は1cmほどの実でも、もう黄緑色のトゲのイガイガが出ています。
栗(クリ)の幹

幹をみるとクヌギとは明らかに違うとわかるのですが、葉はクヌギそっくりです。

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年6月上旬 |

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年9月中旬 |
こちらの幹のクリの木の幹です。上の幹とは似ても似つきませんが、葉っぱのかたちや実はまさしく栗の木のものです。日本では農業として栽培されている栗だけでも10種類以上あるようです。
栗の木は幹だけでは判別できません。ただし葉っぱはクヌギの葉にとても良く似ています。一番明確に区別できるのはやはり実しかないようです。
栗の実

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年7月上旬 |
開花から約1ケ月で栗の実がここまで成長しました。もう立派なイガができています。手の届かない場所にあるので触れませんが、何となく触るだけで痛そうです。大きさは、全体で3~4cm程度です。

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影時期 | 2017年8月中旬 |
1ケ月ちょっとでだいぶおおきくなりました。だいたい6~7cm程度になっています。またイガも1ケ月前はまだ青々としていたのですが、今ではちょっと茶色も交じってきていかにも堅そうです。

9月下旬に公園を訪れてみると栗の実がアッという間に熟していました。これは木の枝になっていた栗ですが、イガは完全に焦げ茶色になっていて栗の実も十分に熟しているのがわかります。
野生のクリですので大きさはそれほどでもありません。だいたいイガを含めた直径が7~8cmといったところです。

これはイガが割れ始めているところです。イガの下のほうから縦に切れ目が入って割れ始めているのがわかります。イガの上半分は茶色くなっているのですが、下半分はまだ青々としてます。

地面を見てみると意外とたくさんのイガがおちていました。ほとんどが中身が抜かれているのですが、中を見ると3つ栗が入っていただろうことがわかります。

ラッキーなことに地面に落ちたばかりなのでしょうか、手つかずのクリを発見しました。きれいに三つ並んではいっていました。

手つかずのクリを見つけたのは初めてだったので近くの切り株に持っていき撮影会です!
黄葉した桜の葉っぱをしたに敷いてちょっとオシャレに演出してみました。というのは冗談で、持っていくのにイガが痛くて手のひらの乗せられないので、下に近くに落ちていた葉っぱを手の上に敷いていがぐりを乗せて運んだだけです。

イガをひっくり返してみると枝とくっついていた部分がありました。なぜここからプッツリと切れたのか不思議です。

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年9月下旬 |
中に入っていたドングリは傷一つなくとてもきれいです。
比べてみよう(クヌギの葉とクリの葉)


クリの葉はクヌギの葉とよく似ていますが、こうして並べて見比べてみると違いがはっきりとします。栗の葉のほうがクヌギの葉よりもさらに細長く、葉の縁のギザギザは逆にクヌギの葉よりも栗の葉のほうが浅くトゲトゲしさはありません。
比べてみよう栗(クリ)の実

撮影場所 | 狭山稲荷山公園(埼玉県狭山市) |
撮影場所 | 2017年9月下旬 |
狭山稲荷山公園にはちょっと離れた場所に栗の木が1本づつ植わっています。葉っぱの形はよく似ているのですが、幹の感じは全くちがいます。そこで幸運にもそれぞれの木から栗の実を収穫できたので比較してみました。
上のクリの実は幹の感じがクヌギやコナラの木のようにゴツゴツした感じの木のものです。そして下のクリの実は木の幹の感じはツルツルしたきれいな木肌をした栗の木のものです。
一番の違いは大きさです。木自体の大きさは上のクリの木のほうが断然大きく、樹高10m前後の木から収穫した栗の実が上のクリの実です。そして樹高4mほどのまだ若い木から収穫したのが下のクリの実です。
木肌がツルツルで樹高が4mほどのまだ若い木の実のほうが一回り大きくて、中に実がパンパンに入っている感じがします。一方上の木肌がゴツゴツした大きな木のクリの実のほうが見た感じも小ぶりでした。
これは木に実がなっている時のイガ全体の大きさでも同じです。大きな栗の木の実のほうがどれも小ぶりでした。
調べてみると栗には日本だけでも十数種類のクリの木があるようです。また自家不結実性で自分の木の雄しべと雌しべで受粉しても実がならなかったり、なったとしてもあまり大きな実がならない性質があるようです。
そのため栗の実を収穫するためには違う種類のクリの木を近くに植えてお互い受粉し合うようにするそうです。そうするとまた違った種類のクリの木が生まれることになります。
このようにして栗の木の種類が増えていったのです。ですから同じ公園内に違う栗の木が植わっていても不思議ではなかったのです。ただ公園内のクリの木に付けられていた名札はただの「クリ」としか書かれておらず詳しい品種はわかりませんでした。
10月上旬にいってみると・・・
10月上旬に狭山稲荷山公園へ行ってみるとクリの木の下に落ちたばかりのピッカピカのクリの実がいくつか落ちているのを発見しました。木の上を見てみるとぱっくりとイガを開いてきれいた栗の実を落下させる準備ができている栗の実がいくつもあるのがわかりました。
そこでまた枝を叩いてみるとまた数個ですが、栗の実がイガからはずれ落ちてくるのです。これで味をしめた私は今度は強めに枝を叩くと、今度がイガがまるごと落ちてきてしまいました。

これはとても危険です。栗のイガは想像以上に固くちょっと刺さっただけでもかなりの激痛です。今回は頭に落ちてくることはありませんでしたが、栗の木の下で枝をゆするのはかなり危険なことだと悟りました。
とはいうもののものの数回1本のクリの枝を揺すっただけで、約20個のクリの実が収穫できました。こんなにたくさん収穫できるとは夢にも思っていなかった私は、もしかしたらこれで栗ごはんができるかも・・・、なんてことを想像してしまいました。
まとめ
クリ(Castanea)は、ブナ科に属する木の実で、古くから秋の味覚として親しまれています。クリの木は温帯地域に広く分布し、日本をはじめ中国、韓国、ヨーロッパ、北アメリカなどで栽培されています。
クリの実は栄養価が高く、ビタミンC、ビタミンB群、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれており、健康食品としても注目されています。独特の甘みとほくほくとした食感が特徴で、焙煎や焼き栗、モンブラン、栗ご飯、栗きんとんなど、様々な料理やお菓子に利用されます。
クリの実は皮が厚く、食用として利用するには手間がかかりますが、その風味と栄養価の高さから多くの人々に愛されています。収穫時期は秋で、地域によっては栗拾いが行われ、家族連れや観光客に人気のイベントとなっています。
さらに、クリの木は樹木としても景観やエコロジーに寄与し、緑地の維持や土壌の保全に役立っています。クリはその美味しさだけでなく、健康と環境にも貢献する貴重な存在です。